輸血用の血液製剤を管理し、迅速かつ安全に供給します

医師から輸血のオーダーが入ると、輸血部のスタッフ(医師と検査技師)は血液型が一致した血液製剤が病院に保管されているかどうかを調べ、なければ日本赤十字社の血液センターに連絡して取り寄せます。

血液製剤には、献血者の血液中の赤血球を分離・濃縮した「濃厚赤血球」、その上澄みのタンパク成分を凍結した「新鮮凍結血漿」、血小板成分を分離・濃縮した「濃厚血小板」などがあり、必要に応じて使い分けます。

昔に比べて安全性は格段に上昇

血液製剤を効率よく利用するために、通常、献血をまるごと保存した「全血製剤」は使用されなくなっています。

また、血漿成分をさらに分離・精製したアルブミンや血漿凝固因子製剤、生体糊として利用される止血剤などの「血漿分画製剤」も、国内あるいは海外で採血された血液から作られており、広い意味では血液製剤に含まれます。

赤血球輸血では、たとえ患者さんの血液製剤のABO式血液型が一致していても、あらかじめ採取しておいた患者さんの血液と輸血の血液を少量ずつ混合し、凝集や溶血などの異常が反応が起こらないことを確認してから病棟や手術室に払い出します(クロスマッチ)。

これは、実際には一般的なABO式血液型以外にも何種類もの血液型存在しており、これらの不一致によって輸血の副作用が起きる可能性があるからです。また、どうしても一致した血液製剤が入手できない場合は、患者さんの体内で免疫反応を起こしにくいO型の輸血が行われることもあります。

血液製剤の精製・保管方法や病原体の検査方法が進歩した今日では、輸血の安全性は格段に向上していますが、それでも既知・未知の病原体に感染したり、アレルギー反応などの副作用がおきたりする可能性はゼロではありません。

したがって、ある程度の出血が予想される手術では、予め患者さん自身の血液を貯めておくことがあります(自己血輸血)。これを行う施設では専用の診察室があり、患者さんはここで医師の診察と血液データのチェックを受けたあと、献血(貯血)を行います。

手術で必要にあればもちろん手術中に使用しますし、仮に必要なかったとしては、通常は手術後に自分の体に戻します。